悲しき温帯

僕が血まみれでドアの外に立っていても、部屋に入れちゃダメだよ。それは僕じゃなくて僕の性欲だからね。
 
自己の異常なまでの肯定が、仮想敵国からの懐疑という殻を打ち破ったとき、不気味な気狂いがあらわになる。
友人に打ち明けて、外圧で自らを鼓舞するやり方は、正の方向にも負の方向にも、僕において正しいことが証明された。
我が儘なのに気弱で、頑固なのに意志薄弱な、あまりに人間的な、という言葉で肯定しなくては、悲しみを禁じえない、人に厳しく、自分に甘い、悲しき温帯。