はじめてのめんせつ

12年卒にしては遅すぎる初面接だった。次々と書類落ちの連絡が来る。そういや、あまりに来て無さ過ぎるところもある。たぶんそこも落ちたんだろう。知ってはいたが僕の就職活動はだめだめで、そろそろ無職に内定をかけそうなくらいだ。

もう、書こうと思っていた大体のもやもやはわかってしまった。もう、もやもやじゃない。でも、忘れないために、僕は書こうと思う。せっかく、書く場所があるのだし。

僕は、恵まれた人生だった。僕が入ろうとする世界は、あまりにも僕をやさしく受け入れてきた。僕も、そういうものだと思っていた。だから、僕はやさしく受け入れてきた。
気づかなかったのかな、知りたくなかっただけなのかな。世の中そういうところだけじゃないって。僕は、でも、気づいたというよりは、思い出した感じだった。そのことを。だから、たぶん知っていたんだ。そう。だからこそ僕は優しさのあるコミュニティを渇望していたのかもしれない。競争やカジュアルな付き合いや反目のあふれるコミュニティを嫌ったんだ。
僕は、たとえばサークルとかで、新入生を入れるというときに、儀式があったり、何かしらの約束があったりするサークルにいた。でも、彼らは彼らで、なにかどこかで、サークルに流れ着いてきたものだという考えがあったし、終の棲家ではないのに、でも、一生気持ちよく付き合っていくためにコミュニケーションをしようという気概があった。それに、僕なりに答えてきたし、僕なりに再生産していったつもりだった。その再評価はやめよう。いや、でもここが大事なのかもそれない。僕は、なんとなく自分では甘やかす方向に組織を向かわせてしまったと思っている。それが、悪いか善いかは僕は言わない。僕はよかれとやったとは胸を張って言おう。世界がそれを否定しても僕は、そう思っていたことに違いは無い。
そして今、僕はそんな場所にはもういない。思えば、受験は目の前の人に否定されることは無かったけど、その予兆だったんだと思う。儀式というのはえてして競争を伴う。バンジーが飛べなくては、成人にはなれないのだ。それは、社会にとって決定事項であり、柔軟に対応してはいけない種類の事柄なのだ。僕の面接には、大の大人9人の15分が割かれ、お互いに悲しみを背負う結果となってしまった。実は、まだ連絡は無いが、まあおそらく落ちたのであろう。そういう雰囲気を感じた。履歴書一枚しか送ってなかったが、彼らは、もう僕を見るなり説教モードだった。ある人は寝ていた。確かに、僕一人の存在はあの会社にとってはあまりに取るに足らないものであろう。僕は、自分が空回っている音が聞こえた。でも、僕の頭はフル回転していた。そして最後の質問が来た。
君は何ができるの?
僕には何も答えられなかった。明晰な頭で何度考えても僕には何も出てこなかった。僕は、何の合格点にも達していないし、何の1位でもない。僕には何もできないのだ。でも、その一言が出てこなかった。
そして、人事の方に助け舟を出してもらう形で、30分を予定していた面接は15分で終わり、僕は敗北を確信しながら、家路についた。僕はしばらく放心状態から戻れなかった。僕の言葉があんなにも通じなかった経験が無いからだ。

そして、帰りながら、自分が何もできないことを反芻しながら僕は思いついた。僕は、自分の好意を受け取ってもらったことがない、と。そう、好きな人と付き合ったことは無いのだ。僕はふられつづけてきた。
何が言いたいかというと、突然さえないとりえも無い男が、君のことが好きだ! と言い出してきても、それは好意の押し売りであり相手は悪印象を受け取るということだ。男女ならば、付き合い始めてからの努力ということもありえるだろう。かつて僕はあまりにそれが足りなく、ふられた。それが唯一のあまずっばい、悔しい思い出だwwwww
それはさておき。というかまあ、そういうことだ。僕は、実はむなしい戦いをしているのかもしれない。でも、僕は就職活動を、疲れすぎないようにするって決めたんだ。だからやる。それだけのことさ。もちろんご褒美がほしいけど、それ欲しさだけじゃないのだ。僕は僕の誇りを守るためにやってるんだ。うそじゃないよ。今ならやり直せるような気もする。就職できたら次は彼女が欲しいんだ。また、がんばらなきゃね。僕はがんばってこなさ過ぎたからね。少しはがんばり方覚えないとなあ。ギターも適当にがんばっちゃったしなあwwwもうぜんぜん弾いてないや。待っててね。

そんなことがあったよ。また来るよ。僕はコミュニケーションに飢えてるのさ。