どろどろのぶかぶかじーんず

ただ僕は産まれただけなんだから
ただ僕は生きたかっただけなのに
いつの間にか僕に余計なもの達が張り付いて
僕の生を監視して操作する
ただ生きていくには
あまりにも多くのことを知りすぎて
あまりにもそれらが重いから
僕は楽な方に流れやすくなっていったのかもしれない
下らぬ人間の柵が僕をひたすら縛り続け
僕はあらがう術もなく縛られ続ける
結局僕はどこにいて結局僕は誰なのか
この縛るもの全てを含めて僕なのか
僕はつまり玉葱のように存在できないなにかなのか
剥けば剥くほどグロテスクになって行く僕は
いつか僕にたどり着くのか
僕だなんていってるうちはたどりつかないかもしれなくて
生き続けるには無駄な金がかかりすぎて
地をはいつくばるにもかねがいるなんて
つまり僕は人間なのか
つまり僕は生物なのか
人間は人間を定義する
あたかも自分達が何者でもないのを恐れるかのように
ただそこに存在する単なる自己であることが耐えられないのか
あまりの定義の多さに疲れながら
恐れを忘れられたことは人間の成功か
こうなってしまっては僕はもはや僕を生きられない
ただ枠組みの中をいかにうまく泳ぐかだ
さて諦めきれぬ愚者がここに一人