何故に彼は永遠に少年なのか

※SHの「LOST」収録の「永遠の少年」をご存じでない方は、少々ご不明かもしれませんが、御容赦くださいm(__)m

なぜ彼が僕らの中に存在することが心地よいのか
それは我々が「存在の闇」を解釈しきれていないからだ
「奪い続ける」ことへの忌避はなぜ正当ではないか
それは我々の生はそれを回避する必要があれからではなく
それを知った上で主体的に受け入れなくてはならない
それは単なる逃走よりも遥かに難しい
そしてなぜその果てしない「存在の闇」が忌避されるべきものに堕ちたか
それはネーミングにも因るところが大きいが
一因には我々が高度に洗練された功利主義的資本主義に染まった世界に生きているからだと思われる
これは個々によって前提が違うと思われるが
少なくとも功利主義的資本主義をあげる場合
それが人の生を利害でしか判断できないがゆえに
我々が人であることを判断材料に入れ得ないのだ
そしてここで「忘却と喪失の狭間で揺れる」我々の死後は真だろうか
ここで私は再び功利主義的資本主義を批判するならば
我々が歯車としてしか見れないその機構において
古びた歯車は気にかけられることなく交換されるが
我々は他でもない彼や彼女が死んだことをどうして忘れ得ようか
それは意識に上ることがなくとも
我々の意識されざる意識の中に大きな憧憬を残すに違いないのである
つまり「記憶」が「淀まない」のは意識の中に於いてに過ぎないのである
僕は決してあなたを忘れ得ることはないのだ
どうして我々は他者の命日を冥福するのか
それは我々が人であるが故に他ならないのだ
ここで注意してほしいのは
僕が資本主義の全てを批判したいわけではないのだ
しかしそれが‘労働’領域を越えでて
我々の真に‘政治的’領域=‘活動’領域を侵し始める時を僕は問題視したにすぎない
最後に不明な単語が出没したがこれに関して僕の理解では解説を付しえない
てハンナ=アレント『人間の条件』(ちくま学芸文庫)をよんでほしい