メメントモリ

この度は
僕の先輩の友人であり
僕の友人の先輩であるかたが
お亡くなりになられたそうです
遠縁ではございますがご冥福をお祈りします


さて、
我々の世界は永遠に彼と言う存在を失ってしまった
それは決して我々が彼を失ってしまったわけではない
つまり我々の中に彼がいるか否かは我々の世界における彼の存在に関係がない
我々が彼を知覚する限りにおいて彼は存在を葬られることはないのだ
これは誰にとって希望を与えるだろうか
それは言うまでもなく我々への希望に他ならない
この時彼の死は彼のみの出来事ではない
彼の死は我々全体にこそ関わりがある出来事なのである
我々は彼を存在する世界を取り戻すことはできない
我々は彼を死に絶えさせぬことだけができる
そして彼の人生は我々に彼が生かされ続ける時に遂に意味を持つことが可能になったのだ
勿論彼が生きている間の彼の人生は彼にとって限りない意味を持つ
しかし彼が生きていると言うことが我々に意味を持たせることを我々はしらないのだ
この様にして我々の前に我々の世界の真の姿が現出し
我々の人生の指針を提示する

雨が悲しみだけを洗い流し彼が生きれる美しい世界にしてくれることを祈りながら(2006年3月16日)

これは僕の追悼の言葉に代えさせていただきます