プロモーションヴィデオ

たとえば、よく言われることだが視覚は限定的だ。
テレビを集中しないで長いこと見続けられるのは、視覚的な要素は非常に多くの物事を我々に訴えかけてくれるから、我々が限りなく受身でも無問題だからである。
しかし、PVは、とりわけ僕が好みの音楽屋さんがつくるPVは決して限定的なんかではない。
むしろ作品世界を膨らませるほどに示唆的で、最初にそれを見てしまっては消化不良を起こしてしまいかねないほどである。
曲を最初に聞いて、いいと思って、何度も聞いて、口からでまかせでもちゃんと歌詞が出てくるくらいになって、頭の中ではみんなが演奏しているくらいリアルに再現できて、そして、恐る恐るパソコンをつけて、PVを見る。
そのとき僕は、その視覚の規定性などはまったく感じることなく、限りなく広がりながらも伝えようとする何かを彼らから受け取ろうと全身を傾けていて、たった5分前後のパフォーマンスにすっかり心を奪われている自分がいる。
そしてまた僕は尊敬を新たにするのだ。
LIVEに行ってみたいものですね。