気のせいかなあ。君は近くにいるはずなのに。

もし、僕の急いている気持ちを見抜いて、わざと決定打を与えられない距離を保とうとしているとして、それは様子を見ようとしているだけなのか、真実に避けられているのか。
しかし僕の気持ちは急く、ただ徒に急くだけで責任を決してとらない彼は、僕から冷静さを奪おうとしていて、僕はそれ故にむきになって自分を冷まそうとして、中庸から遠ざかる。
悲しいのは、僕が弱いからで、何も悪くないあなたを許すために、そして僕が僕を許すために、もっと強く生きなくてはならないのに、なるべき自分が見えなくて、あなたに縋る自分だけがそこにいて。
寂しさすら認識できぬ世の中へ行こう。僕は僕を忙殺し、僕を新たな自分へと飛び立たせなくてはならない。新たなものは新たなことの積み重ねでしかない。早く行かなきゃ。