それでいて代わり映えのしない話(1)

久々に、そして改めて、僕の話をしよう。不思議なことのない世の中にあって、不思議な話をしよう。僕にだけ不思議な話をしよう。

長くて、暗くて、オチの無い話だ。僕が生まれ、僕が悲しみ、僕が死なない話だ。僕が、僕の思考の限りで理解している、僕の話だ。
しかし、僕は、僕のことなんて、大して理解していない。僕は、言葉にすることで僕を取りこぼす。僕は、耳障りな話しか出来ない。
にもかかわらず、僕は理解されないことを恐れる。僕は誤解されたくないと思っている。僕はきっとあなたが理解してくれると信じてしまっている。

結局のところ、聞かされた話と、僕の曖昧な直感と、僕の不確かな類推の話をしようとしているだけだ。何たる我が儘!
かなり、口で話したことはあるけれども、文字で書こうとすると、途端に僕はあなたを見失う。
僕という人間は、即物的で想像力が欠如していて、自分の言説に自信がないんだ。

さて、何から話そう?
明日は、来るのか。
次回は来るのか。