話を聞くという行為に関する原体験とそれに纏わるトラウマ

その昔、僕が、話を聞かされるとき、それは、僕を否定されることだった。
だから、僕は、聞こえてくる音の群を、認識しない本能を獲得した。
しかし、今や僕に語りかけてくる全ての話は、本来的には僕を触発できる。
なのに僕は、それらを、拒否しようとする本能に纏わり付かれてしまっている。
僕はもうあなたの声を聞けないのだろうか。
僕が、あなたの声を聞かぬことは、僕があなたに聞かれぬことさえ、引き起こしてしまう。
そして、僕の蓄積された思念は行き場を失い、僕を苦しめる。
この現象の題名は、古くから、自業自得と呼ばれている次第なのであります。