悲しい

それは昨日の話。
 
力になれないのは凄く悲しい。
誰が悪いわけじゃないけど、僕は僕があなたの力になることができないことが悲しい。
僕の前でそんな顔をしないでください。
僕はあまりにもあなたのことを知らなくて、あなたは僕の決して多くを知らなくて、だからあなたの力になれずにいるその偶然にもかかわらず、僕のあなたへのアクションの少なさを責めてしまえるからこそ、僕はあなたの悲しげな表情が悲しい。
僕は、何をしたらいいだろう。
僕は僕を生きているだけで、本当によいのだろうかと思ってしまう。
僕があなたのことを知っているから、僕はもうあなたの悲しみにさえも無関係ではいられない。
だけどあなたは僕に求めたりはしない。
何故なら、あなたは僕をまだ知らないからだ。
そしてあなたは高貴だからだ。
確かに、美しいあなたに、醜い僕は力になろうなんて思うそのことが既に厚かましいのかも知れない。
でも、そのことさえ許されなかった時にも、僕はあなたの悲しみを悲しむだろう。
だから僕は、僕を生きるしかないのかもしれない。
いつか、何の屈託もなく、テーブルで僕らがわかりあえる日が来て、僕の生がそのままあなたの助けになることができると信じるしかないのかも知れない。
信仰は僕を救うかわからないけど、親交は僕らを救えるはず。
知っている、まだ僕には気付くべきことと、気付くための時間が残されすぎている。