気付く

俺、凡人だったわ。
でも、ここで俺に必要な認識は、偶然性に依存しないかぎり、凡人は天才にはなれないのだということだと思う。
僕の周りには、天才が溢れていて、もしかしたら僕もそうかもしれないと思って浮ついていたのは、今は昔の話であるのだ。
ただし、僕はここで、他者の称賛を得ることが出来ないだろうという予測を基にして、僕の人生の価値を打算して、絶望してはならない。
なぜならそれは、僕の母親の悪い部分である功利主義を無意識のうちに援用しているからである。
僕は、しかし、僕を、僕の人生へ、投企しなければならない。
僕は、もはや、僕の問題意識の解決だけを目指さなくてはならない。
それが僕の人生を僕が引き受けることであって、それこそが僕の求めている生き方に違いない。
僕の、そして心から尊敬する方々の生き方こそそのようなものであったから。